教師の知恵

【教員向け】子供たちの「生きる力」を育む「コーチング」とは?(基本的な考え方)

24/03/2020

Naoto

Japanese Language Teacher🇯🇵【日本語教師】(used to be a Junior high school Japanese teacher/元中学国語教師) World Trip🌎/Education✏️【旅行・教育について】

「コーチング」ってよく聞くけど、実際どんなの?
コーチングの力がある人ってどんな人?

子供に「教える」のではなく、子供を「導く」という考え方の「コーチング」。最近じゃ「ファシリテーター」っていう言い方もよく耳にするようになりました。

子供の、自主的に学んで成長していく力を育てるには、この「コーチング」が必要不可欠だと言われています。

この記事では、「コーチング」の基本的な考え方をお伝えします。

「コーチング」の最終目標

「自らが本来持っている能力や可能性を最大限に発揮する」

「コーチング」を行って何がしたいのかというと、ズバりこれ。

子供の力を最大限に発揮する、その手助けをすること。

「ティーチング」は、教師が持っている知識を、ただ子供に伝えるだけ。そうではなく、子供の内側にある力をどんどん引き出しましょう!っていうのが「コーチング」の最大目標。

って聞くとやたら大きなことで、難しく感じますね笑

「コーチング」・・・壮大すぎて無理。。。

ちょっとわかりにくいので、もう少し細かくわかりやすく説明しましょう。

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「コーチング」という「指導法」

そもそも「コーチング」とはなんなのか。それは「指導法」の1種です。

「コーチング」とは、「質問・引き出し型」の指導法のこと。(従来は「指示命令型」と言われている)

指導法の違い

  • 「指示命令型」:「これはAです。」「Bをしてください。」
  • 「質問・引き出し型」:「これはなんだと思いますか?」「次はどうしたらいいと思う?」

子供に対して「質問」した結果、間違った解答が帰ってくるかもしれない。

それでも、子供自身の力で「答え」まで辿り着けることを信じて、または辿り着けるように道を示して、そこに向かわせようとする。

つまり、子供に対して、「期待」「興味・関心」を持ち、成長に必要な事柄を気付かせて、成長を促すことが「コーチング」ということです。

なるほど、「コーチング」は指導法のことなのか。
じゃあどんな「考え方」が必要なんだろう。

「コーチング」は指導法なので、指導技術ももちろん必要ですが、それ以上に、「コーチングの考え方」をもって指導に臨むことが大切です。

「コーチング」の基本的な3つの考え

コーチングの基本的な考え

人は、「無限の可能性」を持っている

  1. 人は、人生の答えを自分の内側に持っている
  2. 人は、パートナーがいる方が、自分と向き合いやすい

1 人は、「無限の可能性」を持っている

子供は「無限の可能性」を持っているという認識を持つこと。子供は大人よりもはるかに「想像力」「創造力」がある!常識にとらわれない、いい意味での「非常識」人間なのが子供。

「授業中の子供の雑談、本当に「私語」ですか?」

「クラスでの子供の行動、本当に「いたずら」ですか?」

思い込みで注意したその途端、子供の「想像力」は失われます。

指導せずに子供をよく観察すればいいのかな?

いえいえ、指導はもちろん必要です。

人を傷つけたり、悪いことは悪い、と断言するのは教師の役目。ただ、そこで終わらずに、子供がなぜそういう行動を取ったのか、どんな気持ちだったのかに、耳を傾けること。これが大切。

「コーチング」の最終目標は、「自らが本来持っている能力や可能性を最大限に発揮する」ことですから。失敗をきっかけに、自分の新しい考え方とか力に気付ければ、それこそ意味があると思いませんか。

「子供には無限の可能性がある」と思って指導にあたるのと、そうでないのとでは、かなりの差が生まれそうです。

2 人は、人生の答えを自分の内側に持っている

「将来の夢なんかよくわかりません」「別に得意なこともないし、何したいとかもありません」

そう口にする子に100%出逢います。教師をしていれば必ず。

そうなんだ〜、じゃあいい夢が見つかったらいいね!

って、おい!そこで終わったら意味がないじゃないか。

本当にその子供は得意なことが一つもない?子供自身が気付けていない、その子の「良いところ」ってない?

きっとあるはずです。

自分の中に答えを持っていても、それをうまく言葉にできない、表現できないのが子供。そこを引き出してあげましょう。

子供によっては長い時間がかかるかもしれませんが、それこそ教師として本望の部分。

子供が「自分らしい人生を送ることができる」状態になるためには、次の5つのステップが必要。

5つのステップ

  1. 自分らしい「評価基準」 – 自己イメージ − できる/できない
  2. 自分らしい「選択基準」 −  つぶやき  − やれる/無理だ
  3. 自分らしい「選択」   −   行動   – やる/やめる
  4. 自分らしい「生き方」  −   習慣   – やり続ける/諦める
  5. 自分らしい「人生」   −   人生   – できる/できない

わかりやすくすると

要約すると、①で「自分はできるんだ!!」と思えないと、⑤で自分らしい人生を歩むことはできない!ということ。

つまり、子供の時に「自分はできるんだ!!!」という「自己肯定感」をいかに高めさせられるかがポイント!

自己肯定感を高めるって具体的に何をすればいいんだろう?

そんなに難しく考える必要はありません。子供が「できた」時に、「よくできたね」「すごいね」と声をかけてあげる。

「褒める」「認める」「期待する」「声をかける」。先生から大人から、関わってもらえることそのものが、「自己肯定感」を高めることになりますよ!

3 人は、パートナーがいる方が、自分と向き合いやすい

最後は、「子供は、パートナーがいる方が、自分と向き合いやすい」という考え方。

子供に、「パートナー」が必要な理由は、「子供の「できない」を「できる」に変えてあげられるから。

先ほど、「自己肯定感を高める話」をちらっとしましたが、信頼している教師からの言葉は、子供の心を動かします。

大丈夫、もう一回やってごらん!
次は、ここをこうしたいいんじゃない?

そんな声かけの結果、

「もう一回やったらできるかも!」「先生から言われた方法で挑戦してみよう。」

って、子供が思う。「先生」というパートナーがいて初めて、子供は自分と向き合って、自分の力を発揮できることがあります。パートナーは、「先生」だけじゃなく、「同級生」でも「先輩」「後輩」「親」でも成立します。

人との関わりの中で、子供は前に前に向かっていけるということです。とすると、「自分は子供のパートナーだ」という思いを心の隅に置いておきたいですね。

「コーチング」に必要な「考え方」はわかりました!
なぜ「コーチング」が必要だと言われてるの?

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なぜ、「コーチング」が必要??

教育の目的は何かご存知ですか?教育基本法第1条、暗記しましたね。

そう、「人格の完成」です。

そこに至るために、学校でよく言われるのが、「主体的・対話的深い学び(アクティブ・ラーニング)」を通して、子供の「生きる力」を育みましょう!ということ。

この「生きる力」を育てるのに、「コーチング」という指導法は最適だったんです。

「コーチング」

「馬車」と言う意味。(1550年代イギリス)

そこから派生して、「大切な人を、その人の望むところまで送り届ける」と言う意味。

元日産自動車会長のカルロス・ゴーンは日本でいち早く「コーチング」を導入し、なんと6844億円の赤字から、3311億円の黒字へと転換!

イチローや高橋尚子らを育てた監督もこの「コーチング」を導入していたそう。個人の「生きる力」を育てるには、欠かせないものになっています!

まとめ

今回は「コーチング」についてまとめました。「コーチング」という指導法を通して、子供の力を最大限引き出す、というところだけでも知っていただけたら幸いです。

子供の「サポーター」として、子供が前向きになるサポートをする、声かけや手立てをすることが「コーチング」。日々子どもと関わりながら、その成長をサポートしましょう。

【「コーチング」について深く知りたい方へ】

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