「ちょこ・ぺた・ぴん」
「筆先は10時の方向」
「半紙を四つ折りにして」
「墨は筆の8割のところまでつけて」
「書いている間は喋らない」
「習字の授業」と言えば、こんな言葉が飛び交っていませんか?
教科書にも「正しい姿勢」とか「正しい持ち方」「正しい書き方」として掲載されているので、その通り実践して間違いはないでしょう。
でも、正直全然楽しくないですよね笑
本当に上手になりたいのなら、「姿勢」や「持ち方」「心構え」はめちゃくちゃ大事。
でも授業の中で40人弱にこれをさせるのは正直苦行。
なので、さっき上に書いたような言葉は一切使わず、まずは「「筆」と「墨」に親しむ」ことをテーマにした授業展開を紹介します!
アイデア授業
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「筆」と「墨」の感覚を味わわせる
子供達はそもそも筆の「柔らかさ」に慣れていません。
そんな状態で「姿勢を正してお手本通りに」なんて、大人でも難しいですよね。
こんくらい力入れたらこんなに太くなるんだ!
墨をつける量で、線の感じが変わった!
みたいなことを、「作品作り」の過程でまず感じて欲しい。
ということで具体的な実践例を紹介!
実践:「大きな雲」を書く
「大きな雲」と言っても、「大きな雲」という字を書くわけではありません。
「雲」という一文字で、半紙というキャンパスを存分に使って、「大きな雲」を表現させるということです。
「お手本」や「決まりごと」は一切なし!
画数や回順が違くてもよし。
かすれていてもよし。
太さがバラバラでもよし。
「雲」という漢字だと認識できればよしとします。
授業の流れ
ポイント
- 「大きな雲」が伝わるような「雲」を書くことを伝える
- 春夏秋冬の様々な「雲」の写真を見せ、イメージさせる
- 何枚でも納得がいくまで、自由に書かせる
- 「これだ!」という一枚と、工夫点を記入させる
事前の段階で、写真や映像を見せたり、いつの季節のどんな天気の「雲」を書くか、しっかりと頭に思い浮かべさせることが大切ですね!
いろんな「雲」が生まれる一工夫
注意ポイント
- 「ダメ」「やり直し」は使わない。
- 独創的な作品を紹介しながら書かせる。
- 立って書かせる。
正解のない授業です。
「もう一枚書きたい」ってなったらベストです。
また、「立たせる」ことで、膝を使ったり体全体を使って表現しようとするので、より躍動感のある字が生まれたりしますよ!
実践して「よかった!」と感じたこと
メリット
- 「大きな雲」を書いた後に、お手本を真似させると、のびのびとした字になる。
- 上手に書くのが苦手な子供の活躍の場が増える。
この2つのメリットはとても大きい!
いきなりお手本を書かせた時と、「大きな雲」を経由して、お手本を書かせた時では、「線の質」が全然違います。
特にアドバイスをしたわけでなくても、おそらく子供自身が、「雲」を書く中で、線の感じや墨の感じを学んでるのではないかと思います。
また、じっと席について字を書くのが苦手な子、そもそも習字が嫌いな子にとっても、少し「遊び」の要素もあり、ノリノリでやってくれます。
しかもそういう子の作品がまた独創的で、他の子にいい刺激を与えてくれたりもします!
準備も片付けも大変・・・だからこそ授業は楽しく!
「習字」と聞いて「よっしゃ!!!!!」っていう子ってほとんどいないですよね笑
準備と片付けは面倒だし、手とか服は汚れるし、鉛筆みたいに上手に書けないし、将来筆を使って何するわけでもないし。。。
よくわかる。
もちろんちゃんと座って丁寧にお手本通りに書くのも一つのスキルとして大事。
でもやっぱりそれだけじゃ限界がくるんです。
そういう時、この授業スタイルをとってみるといいかもしれません!
クラスの状況によっては、収集がつかなくなる恐れもあるので、実態に合わせて実践してみてください。
「大きな雲」「小さな雲」「おしゃれな家」「太った猫」・・・課題はなんでもよし!無限大です!
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