漫画で「コーチング」を学ぶってどういうこと?
コーチングのプロが近くにいてくれたら!その実践方法をそばで見れたら・・・
いやいや、身近にいるじゃないか。生身の人間じゃないけど、ものすごくわかりやすいお手本が手元にいるじゃないか。
そうです。それが、漫画『キングダム』。
数多くのキャラクターが登場する漫画『キングダム』と、「コーチング」を結びつけて考えるんです。
本記事では、「コーチングに必要な力」その「具体例」を、キングダムの登場人物の言動に沿ってまとめました!
明日から即実践できますよ!
記事の内容は、『『キングダム』で学ぶ 最強のコミュニケーション力』を参考にしています↓
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著者はコーチングスクール代表:馬場啓介
トラストコーチングスクール/マザースコーチングスクール代表。(略)これまでに全国、世界数カ国で2000人以上のコーチを育成。経済産業省や多くの企業では人材育成を担当している。
『キングダム』で学ぶ 最強のコミュニケーション力』より
馬場啓介さんは「コーチング」におけるスペシャリスト。そんな方が「こいつはすごい!」と感じた人物が『キングダム』の中に数多く登場。
コーチングのスペシャリストからみた『キングダム』の世界観、そして本書読了後は、これまでのキングダムが数倍面白く見えてきますよ!
なぜなら、一人一人の登場人物の「言葉」「仕草」を細かく見れるようになるからです!
「コーチング」に必要な3つのこと
- 「敬意」(信・蒙恬)
- 「質問力」(河了貂)
- 「横並び」(騰)
コーチングの最終目的は、コーチングを受けた人が「自らが本来持っている能力や可能性を最大限に発揮する」こと。
そのための働きかけや行動が「コーチング」にあたります。
「コーチング」に必要な具体的な視点を、『キングダム』の登場人物たちが示してくれています。
1 相手への「敬意」(信・蒙恬)
馬場さんは、この「敬意の視点」こそ「究極の視点」だと述べています。
具体的にどういうことかと言うと
「相手が大切にしていること・ものに対して「敬意」を払う」
人を導く上で、絶対に欠かせない「視点」です。
「信」の「敬意」
こいつに同情の余地がなくはねェ
別にこいつが特別ってわけじゃねェ 五百年の戦乱の世だ こんな奴は他にもぜってェいる
一歩間違えりゃ俺らだってそうなってたかもしんねェし
『キングダム』27巻
趙軍である万極軍と退治した場面。
秦軍に恨みを抱く万極は、過去に家族を殺された恨みを晴らそうと、信の部隊に襲いかかる。
そんな万極に信軍も多大な犠牲者を出すことになる。
完全な敵である万極に対して、信が言ったセリフが上の引用部分。
信には信なりに大事にしているものがあり、万極には万極なりに大切にしているものがある。立場は完全に「敵」。でもその敵が「大切にしているもの」を思いやった上での発言がこの場面に表れていますね。
「倒してナンボ」「武功を挙げてナンボ」
の、この時代に、敵目線に立つこの視点。まさに「敬意」の視点です。
「蒙恬」の「敬意」

麻鉱と共に練兵に明け暮れた日々の中で 麻鉱があんたらに一番多くかけた言葉だ
それをみんなに伝えてもらいたい
思い出せるか?
『キングダム』49巻
主君である麻鉱が敵に討たれ、戦意を喪失する麻鉱兵たち。
戦況を打開するために、なんとか麻鉱兵に立ち上がってもらいたい蒙恬は、麻鉱兵に向かって上の言葉を告げました。
本当は自分の立場を利用して、半ば強制的に立ち上がらせると言う選択肢もあったはず。
しかし、麻鉱兵の「大切にしているもの」=「麻鉱との繋がり」を考えた上でのこの発言。
「立って 戦え」
この言葉を聞いた麻鉱兵は奮戦し、戦況を打開していきます。
さらにもう一場面。
蒙恬との会話で相手は「不快な思い」をしないんです。
信の言葉は 半分合ってて 半分間違っている
『キングダム』20巻
輪虎をなんとか討とうと、信、蒙恬、王賁の三人で話し合いをしている場面。
蒙恬は場の相手の言ったこと、やったことを絶対に「否定しない」。
違うと思っても必ず「受容」があります。
この蒙恬と正反対なのが、王賁。蒙恬のようなクッション性を持ち合わせていないので、しばしば信とは対立しますね。
相手への思い、相手への敬意があってのこの蒙恬の言動があるとわかります。
苦手な人・ライバル・ライバル会社に対して
一度、「ああ、この人無理だ」って思うと、なかなか距離を縮めることってできませんよね。
「生理的に・・・」っていう感覚はとてもよくわかります。
でも自分に合う合わないは別として、自分に「大切なもの」があるように、苦手な人にも「大切なもの」がある。せめてそこだけでも認められる大人にはなりたいなと、改めて実感させられました。
これが、コーチングに欠かせない一つ目の力、相手に対する「敬意」です。
2 本音の本音を考えさせる「質問力」(河了貂)


お前の中で 一番くやしいと思っているのは何だ?
不確かな掟に翻弄されていたことか?
卑劣な手で象姉が殺されてしまったことか?
仇が尤となって生きていることか?
それとも
その人が殺された時にその場にいることができなかったことか・・・
『キングダム』9巻
この場面に河了貂コーチの、コーチングの手腕が垣間見えます。
コーチングにおける「質問力」とは
「質問」だと相手に認識させずに、相手の無意識の部分を「意識化」させること。
このように解釈しています。
上の場面、羌瘣(きょうかい)は、自分自身に「くやしさ」があることに気づいていなかったはず。
「あれ、自分の行動の原因は「くやしさ」なのか?」
と、「意識化」させる鋭い質問です。
さらに、その「くやしさ」に基づく具体的な質問を次々と畳み掛けます。
これによって、羌瘣自身ですら気づけていない自分自身の奥底の感情に目を向けることに繋がりました。
「コーチング」において、「質問力」は欠かせません。
相手の「無意識」の部分に気づかせること。さらに言えば、相手に「質問だと認識させない」ような質問がベストとのこと。
なかなか難しいですが、この「質問力」をつけることができれば、コーチングの最終目的にもぐっと近づきますね。
「なぜ?」はNG
「コーチング」の質問において「なぜ?」は使わない方が望ましい。
なぜなら、「なぜ?」には少なからず、「反対」のニュアンスが含まれてしまうから。
反対するつもりはなくても、相手に「あれ?この人、自分のこと受け入れてくれないんだ」ど無意識に警戒する可能性があるんです。
イメージは「雑談しながら、相手の本音を引き出す。」
雑談の中にさりげなく問いを混ぜることが「質問力」。だと自分は解釈したので、まずはお互いの胸の内をさらけ出しながら、楽しく会話をしてみましょう。
「雑談」に関してはこちら「【雑談力】「雑談力」がある人はやっている5つのポイント」の記事を参考にしてください!。
3 同じ視点で同じものを見つめる「横並び」(騰)

合従軍との戦いの一場面。
楚の将軍、臨武君と剣を交えることになった騰。
戦いの最中、
「バカな・・・ なぜ俺の力が通じぬ 身をさらし難敵とぶつかり合い 叩き上げられた俺の力が。たかが王騎の傘の下で戦ってきただけの男に」
と語る臨武君に対して、騰が口にした言葉。
その傘を支え続けることの凄さは考えぬのか お前は修羅場をくぐってきた己の力に絶対の自信があるのだろうが 私には 中華をまたにかけた大将軍 王騎を傍らで支え続けた自負がある
『キングダム』26巻
鳥肌が立つ名シーンの一つですよね。
『『キングダム』で学ぶ 最強のコミュニケーション力』の著者である馬場さんは、この騰こそが、最強のコーチかつコミュニケーション能力の持ち主だと絶賛しています。
それがこの「横並び」の視点。
王騎の語りかけに対して、騰は必ず「ハ!その通りです」と返事をします。
ただの「イエスマン」?
いやいや、これが「コーチング」に欠かせない、「横並び」になって相手を受容するということ。
相手を「ジャッジする」ことは絶対ダメ。
相手を「信頼し、見守る」ことこそが、「コーチング」の本質であり、それを騰はひたすら王騎の傍らでやり続けていたということです。
あの大将軍王騎をコーチングしていたんです。そう考えると、さらに騰のことが好きになりそうです。
もう一度『キングダム』を読む
『『キングダム』で学ぶ 最強のコミュニケーション力』を読んだ後に、もう一度『キングダム』を読むと、これがまた面白い。
このシーンのこの登場人物の行動は、こういうことか!
出た、コーチングの場面!
登場人物の言動一つ一つに意味があるんじゃないかと、どんどん想像を膨らませながら読み進めました。
「コーチング」に興味がなくても、単なるキングダムファンが読んでも、面白いと思える一冊だと思いました。
漫画・映画ともに見直してみると良いですよ!ちなみに、中国上海にある映画キングダムの撮影地での観光をこちら「【映画「キングダム」の撮影地】「象山影視城」の世界観がすごかった。広大な敷地!(感想)」にまとめてますので、みてみてください!
終わりに

図にまとめてみました。
本当の意味での「コーチングスキル」を身につけるには、紹介した3つの力全てが備わっていることがベスト。でもそれはなかなかむずい。。。
まずどれか一つ、意識してやっていくといいかもしれません。
【参考図書】
【「コーチング」に関するおすすめの記事】
・【リーダーの秘訣】20代で知っておきたい理想のリーダー像10のポイント!(Googleのマネージャーから学ぶ!)
・【教員向け】子供たちの「生きる力」を育む「コーチング」とは?(基本的な考え方)