「国語の授業で使える面白い授業何かないかなー」
今回は「コトバト」という、「小学館」が発表した「辞書を使った「言葉」×「バトル」」の言葉遊びを紹介。
小学生から高校生まで、年齢に関わらず、楽しく学べる「辞書ゲーム」です。
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「コトバト」の進め方:楽しく盛り上げながら

続いて、「コトバト」の進め方を順番に説明。
グループワークなので、事前に4人くらいのグループを作成しておきましょう。
頭の良さは全く関係ありません。
1 「お題」を決定:「○から始まる□□□□な言葉」
まず最初にお題を決定します。
ここでいうお題とは「◯から始まる□□□□な言葉」という型に当てはめたもの。
「◯」には、五十音(あ〜ん)を(濁音、半濁音を入れても面白い)、後半の「□」には主に「形容詞」を入れることになります。
例えば、「「あ」から始まる「強い」もの」みたいな感じ。
後半部分には、他にも下のような言葉が入ります。
優しい言葉 | 暗い言葉 | 美しい言葉 | 弱いもの | 綺麗なもの | 小さなもの |
明るい言葉 | 甘い言葉 | きまづい言葉 | かわいいもの | 長いもの | 美味しいもの |
暖かい言葉 | 偉そうな言葉 | 柔らかいもの | 速いもの | 大きなもの | 変なもの |
悪い言葉 | 悲しい言葉 | 強いもの | 怖いもの | 危ないもの | 芸術的なもの |
面白い言葉 | 嬉しい言葉 | 硬いもの | 怪しいもの | 重いもの | 落ち着くもの |
ここには基本的な言葉を集めましたが、発達段階に応じて「人の心を救う言葉」「◯◯学校といえば」「一人でコーヒーを飲んでいる時に聞きたい言葉」「誰も知らないけど言われたら嬉しい最高の褒め言葉」みたいに、いくらでも難易度や幅を変えることができる言葉遊びでもあります。
この「お題」の決定には、「小学館ホームページ」にある専用の「お題メーカー」を使うか、自作でくじ引きを作ってもOK。個人的にはくじ引きを子供たちにさせた方が盛り上がりますね。
2 お題に相応しい言葉を、辞書を使って「探す」(3分)※時間は目安
さあ、お題が決定したその後は、いよいよお題の言葉をひたすら探す時間。
個人個人で辞書を使って、言葉を選択します(知っている言葉、知らない言葉に限らず、辞書に載っていれば何でもOK。むしろ知らない言葉の方がいい)。
目安の時間は3分間。
でも小学校低学年であれば5分とったり、高校生なら逆に2分にしたり、難易度は自由に調整してください。ちゃんと前から見ていく人、パラパラ見ていく人、後ろから見る人など、それぞれ個性が見えて面白い。
言葉を見つけた人は、手の平くらいの大きさにカットされた紙に、選んだ言葉を書いて待機。
3 探した言葉を1人ずつ「発表」:選んだ理由まで発表する
「しゅーりょー!」
タイムアップです。それでは、一人ずつ自分が「選んだ言葉」「辞書に書いてあるその言葉の意味」「その言葉を選んだ理由(他の人が選んだ言葉よりも自分の選んだ言葉が、お題に相応しい理由)」を合わせてグループ内で発表。
他の人たちは、「どの言葉が一番お題に相応しいか」考えながら聴く時間です。
4 どの言葉が一番相応しいか「投票」:その後全体投票もあり
全員の発表が終わりました。
最後は「投票」です。
グループ内で「自分も含めて、どの言葉が一番お題に相応しかったか」を投票しましょう。
選挙みたいにただその人を選ぶんじゃなく、「なぜその人を選んだのか」も含めて発表させるとさらにレベルアップすると思いますが、それは時間と要相談。
また、グループ発表の後に、選ばれた言葉をグループの代表の言葉として、クラス全体で共有するとさらに盛り上がります。
楽しいだけじゃない、力がつく「コトバト」の魅力は?

あくまでも授業の一環としてやるのであれば、「子供たちの何かしらの国語力」をつけさせないといけません。
1 「語彙力」「発想力」を鍛える
1番の魅力は、「お題を様々な角度で捉える力」をはかることと育てることができるところ。
「知らなかった言葉に出会える」「新しい語彙が増える」メリットがあるのは何となくイメージできると思いますが、それ以上の魅力。
例えば「あたたかいもの」というお題。(あえてひらがなで出題)
物理的にあたたかい「お茶」とか「こたつ」も、もちろん「あたたかい」。
でも、「ありがとう」とか「また明日」という言葉も、心が「あたたかく」なる言葉。
同じ言葉でも、視点やニュアンスを変えて捉えることができるのが、この「コトバト」の面白いところだと思います。
何をもって「あたたかい」「やさしい」「美しい」とするのか。少し違った視点での言葉が出てきた時には、授業が数段レベルアップするチャンスです。
うまく拾って、共有できれば、みんなの意識・視点がガラッと変わります。
1回だけじゃなく、間を空けてもいいので、回数を重ねていくと、言葉を分析して発想する力を育んでいける時間になります。
2 お題次第で、何歳にでも対応
「お題」の難易度を変えるだけで、年齢問わず、楽しみながら、言葉と親しむことが可能。
また、その学校やクラスの生徒だけがわかるような「お題」を作っても面白くなります。
工夫のしがいがあるゲームです。
逆にいえば、お題と教師のサポートがうまく行かないと単なる遊びの時間にもなりうるので注意。
「コトバト」に必要なもの:学校の備品で揃います

準備物
- 紙(手の平くらいの大きさのものをたくさん)
- 筆記具(なんでもOK)
- 辞書(1人1冊)
- お題カード(次で詳しく説明してます!)
これだけでOK。
「辞書」を使った言葉遊びなので、一人一冊持った状態が望ましいです。(タブレットなどでの検索でもできなくはありませんが、未知の言葉に出会う機会を増やすなら紙の辞書がベター)
今後も「言葉」に「興味」を持ち続けられるような働きかけを
「辞書」を使って言葉を調べる機会は、おそらく全体的に減ってきているだろうし、それも年齢が上がるにつれて限りなく0に近づいているはず。
ネットの方が圧倒的にはやいですからね。
新しい言葉に出会う機会の1つとして「辞書」はとても有効な手段です。この授業をきっかけに、今後の授業での「新しい言葉」への働きを継続的に行うとさらに効果的です。
また、「国語」そのものへの「興味」を絶やさないために、視覚から興味を持ってもらうために、教材作りに力を入れていました。
その時によく使っていたのが「Canva(キャンバ)」 というデザインサービス。デザイナーが使うような素材を使って見た目から面白い教材を作るようにしていました。
無料でも十分すぎるくらい利用できます。有料だとデザイナー顔負けのオリジナル教材が作れるくらい、作ってて楽しいサービスです。
終わりに
本記事では、「辞書を使った語彙力バトル」(コトバト)の実践方法をご紹介!
国語の授業でも使えるし、かなり盛り上がること間違いなし。
ぜひ実践してみてください。