国語のアイデア授業

【国語のアイデア授業8選!】子供のやる気・能力アップにつながる国語(習字)の言葉遊び実践(隙間時間にも)

19/06/2021

Naoto

Japanese Language Teacher🇯🇵【日本語教師】(used to be a Junior high school Japanese teacher/元中学国語教師) World Trip🌎/Education✏️【旅行・教育について】

 

国語の授業で使える「言葉」を使った遊びが知りたい!

 

本記事では、国語の時間で使える「言葉遊び」や「アイデア授業」についてまとめています。

ただ楽しい、面白いだけじゃなく、「語彙力」や「想像力」、「発想力」など、子供の力が育つアイデア実践事例を8つ紹介。

僕が中学校の国語科の教員として実践してみたものを中心にまとめました😁

記事の内容

  • 国語のアイデア授業を8つ紹介
  • それぞれのメリットと実践について

国語のアイデア実践事例8選!「盛り上がる」✖️「力がつく」

国語の授業やちょっとした隙間時間、それから習字の時間に使える、「盛り上がる」✖️「力がつく」実践事例を紹介します。

それぞれの詳しい、授業の流れや準備物なども、それぞれのリンク先で紹介していますので、ぜひご活用ください。

1  「スパイダー討論」〜聴く力・振り返りに最適な討論

「スパイダー討論」とは、討論をする側と、討論を聴く側にグループをわけ、討論を聴く側は、討論を聞きながら手元の紙に、討論のやり取りや面白い意見などをメモしていくやり方。

討論終了後にその紙を見ると、それぞれの討論への参加度、貢献度が一目でわかり、その後の振り返りや個人の課題克服に繋げることができる討論方法。

完成したメモが蜘蛛の巣みたいになることから「スパイダー討論」と言います。

授業の進め方

  1. 討論をする側と、討論を聴く側にグループを分ける。
  2. 討論する側にはテーマを与え、3〜5分間のシンキングタイムを取る
  3. 討論を聴く側には、紙を配り、スパイダーメモの準備をする
  4. 討論を開始する
  5. メモを元に振り返りを行う

大体8人〜16人くらいがベストな人数かなと思います。あまりに多いと、相対的に話をしない子供が増えてしまうので、テーマに合わせて調整しましょう。

人数を多くした時は、討論時間を伸ばしてもいいですね。

メリット

  • 話を聴く側の意識を高め、意見を聞き分ける力を育てる。
  • 一目で振り返りができ、自分の貢献度が把握できる。

上の画像を見ると、誰がそのくらい喋ったのかが一眼でわかりますよね!

さらに、あらかじめ「質問:?」「他の人に話題を振る:✌️」「いい意見:⭐️」みたいに、マークを決めておくと、メモも取りやすいし、討論中の発言回数が少なくてもこれらのマークがあれば、ぱっと見でどれくらい貢献していたかがわかるようになっています。

しっかり「スパイダーメモ」を取るには、話をしっかり聴く必要も出てくるので、かなりおすすめの討論方法です。

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2 「コトバト」〜辞書を使って、たくさんの語彙に触れる

 

小学館が発表した「辞書を使った語彙力バトル:コトバト」。

「◯」から始まる◯◯なもの」というテンプレートに合わせて、「「あ」から始まる「強い」言葉」のように、2か所の空欄をランダムに決め、ふさわしい言葉を辞書から探し出す言葉遊び。

授業の進め方

  1. 「「◯」から始まる◯◯なもの」に合わせて、「テーマ」を決める
  2. 「テーマ」に相応しい言葉を、「辞書」を使って探す(3分〜5分)
  3. 探した言葉を発表する
  4. 一番相応しい言葉を「投票」する

4〜6人程度の小グループでの実践がやりやすいと思います。

「探した言葉を発表する」時に、辞書に載っている「意味」も伝えるのと同時に、「なぜこの言葉がテーマに相応しいと思ったのか」まで発表するようにすると、さらにレベルの高い時間になります。

例えば、「あたたかい言葉」の場合、物理的に「あたたかい」ものもあれば、心が「あたたかく」なるものもありますよね。

プレゼンの練習にもなる言葉あそびです。

メリット

  • 「語彙力」「発想力」を鍛える。
  • クラスや年齢に合わせたお題で楽しめる。

クラスの状況に合わせて、「テーマ」の内容や、「テーマ」の難易度を自由に変更することが可能。

クラスのあるあるや、地域がらの特性を生かしても、幅が広がって面白くなりますね。(「う」から始まる、「3年1組らしい」言葉」とか)

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3 「ことわざカルタ」〜スプレッドシートを使った自作カルタ

 

ことわざカルタは、教員が言葉の「意味」をよみ、子供達がその意味を持つカードをとるというシンプルなカルタ遊び。

ことわざだけでなく、故事成語や慣用句、古語など、汎用性が高いのも特徴です。

「Google classroom」で、「スプレッドシート」を使えば、子供達自身で作成していく自作のカルタが作れます。

自分たちで作る分、意欲マシマシの遊びです。

授業の進め方

  1. 好きなことわざ、覚えたいことわざを1つ選び、スプレッドシートに、その言葉と、意味を記入する。(他の人と被らないように)
  2. 自分が選んだ言葉を、グループの数分、カードに書く
  3. スプレッドシートをそのまま印刷、配布し、暗記させる
  4. カルタゲームを行う

1人1台タブレットを持っている前提の授業展開になります。「Google classroom」を使って、「スプレッドシート」に「共同編集」していくことで、簡単にリストが作成できます。

この機能はものすごく便利です。

メリット

  • 自分で作ることによる意欲の向上
  • 効率よく言葉を覚えることができる

自分で作ることで、まず「せめて自分で作ったカードくらいは取りたい!」という意欲が増します。暗記が苦手な子でも乗り気になってくれやすいです。

「スプレッドシート」で作ることによって、そのままプリントにして、PDFにして配布できるっていうのも大きいですね。

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4 「ひらがなポーカー」〜「言葉」「語感」に親しむ

 

「ポーカー」という名前の通り、5枚のカード(5文字のひらがな)を使って行うゲーム。

ひらがな1文字が書かれたひらがなカードの山札から、5枚選ぶ。

それらを並び替えて5文字の言葉をつくっていくもの。

グループの中で、「実際にある」言葉を作れたら勝利、作れなくても「ありそう!」と思える言葉を作れたら勝利という言葉遊び。

授業の進め方

  1. グループを作り、グループに1つ、ひらがなカードを配布。
  2. ひらがなカードの山札から5枚ずつ選ぶ。
  3. カードを並び替え、一斉にメンバーに見せる。
  4. グループ内で勝敗を決める。

※「ひらがなカード」とは、50音1枚ずつに加え、濁点、半濁点、「w」、ジョーカーなどを加えたもの。よく使われている文字は2枚入っている。詳しくはこちらを参考に。

メリット

  • 「言葉」に対する興味を持つ
  • 辞書を使っても効果的

「ひらがなポーカー」は隙間時間に最適。たった5文字の並び替えでも、結構頭を使います。

辞書を使って探しても、さらに効果アップですし、言葉に敏感になってくれるのがこの取り組みのいいところでもあります。

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5 「謎かけ大会」〜「同音異義語・同訓異字」を使って

「同音異義語・同訓異字」の単元を活用した謎かけ大会の授業。

小学校でも中学校でも取り扱ってる単元なので扱いやすい内容です。

内容はいたってシンプル。学習で得た知識を元に、「謎かけ」を作って、発表するもの。

授業の進め方

  1. 「同音異義語」「同訓異字」の意味を確認する。
  2. 「同音異義語」「同訓異字」の例を使って学習する。
  3. 「謎かけ」について学習する。
  4. 実際に「謎かけ」を作って発表し合う。

「謎かけ」といえばねづっち。今の子供達がどれだけ知っているかわかりませんが、動画を見せたら、「謎かけ」の導入としては最適ですね。

メリット

  • 「同音異義語」「同訓異字」の学習が定着しやすい。
  • 辞書を活用して、多くの語に親しめる。
  • 国語の学力に関係なく、発想豊かに楽しめる。

通常の学習、読解が苦手な子供でも、楽しく「言葉」と親しめる学習です。

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6 「現代版いろは歌」〜現代の子供の平仮名学習用「いろは歌」作り

 

「現代版いろは歌」は、「いろはにほへと散りぬるを〜」という、50音を1文字ずつ使って作られた「いろは歌」を、現代の言葉に置き換えて作り直す、という活動。

「あ〜ん」までの50音カードを配布し、パズルのように並び替え、言葉や文、詩を作る活動です。

授業の進め方

  1. いろは歌の由来、意味、漢字など、基本事項を確認する。
  2. 50音カードを配布し、誰でも覚えやすい文を考える。
  3. できたものを交流する。

「いろは歌」は当時の仮名学習に役立ったもの。仮名文字を1字ずつしか使わずに、意味のある文書を作るという、かなり高難度の言葉遊びです。

メリット

  • 「言葉」を慎重に選んだり、辞書で調べたりする。
  • 数人のグループで行うことで、色んな発想が交流できる。

これまで蓄積してきた言葉を総動員して、言葉のパズルを組み立てていきます。50音全て使い切って文を成立できたらかなりの強者。

何文字使えたか、という基準でやっても面白いですね。

【現代版いろは歌】50音を使って新しい「いろは歌作り」(国語の実践)

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7 「プロの俳句(短歌)探しゲーム」〜プロの作品を見抜けるか

 

俳句・短歌の授業の最後に実践しやすい内容。

子供たちが個人で作った俳句や短歌の中に、いわゆるプロが作った俳句や短歌を混ぜて一覧にします。

その中から、「プロが作ったものを選ぶ」ゲームを実施。

「選ばれなくて当然」というスタンスなので、選ばれたら万々歳。

でも、これが結構わからないので面白いんです。

授業の進め方

  1. 俳句や短歌の基本事項を確認する
  2. 教科書や参考書に載っている有名な俳句・短歌の意味を確認し、読解のポイントをおさえる
  3. 俳句・短歌作りのポイントを確認する
  4. 一人一人、俳句・短歌を作成する
  5. プロの俳句や短歌の中に、子供達のを混ぜ、一覧にする
  6. グループに分かれ、プロの俳句を指摘していく
  7. プロの俳句を当てたらポイント獲得、子供のを当ててしまったら、その子供がいるチームにポイント

最終的に、自分一人で短歌や俳句を作れるようになること、恐れずに自分の思いを言葉にできるようになることを目標に、事前の準備をしっかりすればするほど効果的な授業になります。

メリット

  • 俳句・短歌を身近なものに感じてもらう
  • 意外と子供のが選ばれるので、授業の盛り上がり、子供のやる気アップにつながる。

なかなか苦手意識を持った子供が多い「俳句・短歌」。

曖昧すぎて、苦手に感じてしまうようです。

でも、意外と子供たちが作った俳句・短歌と、いわゆるプロが作ったものって、パッと見他だけじゃ、すぐ見分けがつくものじゃないんです。

この授業を通して自信つけてもらえたらいいですね。

【国語】創作俳句・短歌でおもしろ授業「プロの俳句(短歌)を探せゲーム」

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8 【習字】「文字の意味」を筆遣いで表現!〜「慣れ」と「大胆さ」を育てる

 

選んだ漢字1文字の「意味」に沿うように、墨と筆で表現するもの。

例えば、「強」という字であれば、線を力強くはみ出るくらいに書いたり、「揺」であれば、あえて線をぶれさせたりなどなど。

国語×美術のような、芸術・創作の要素が強い学習です。

が、習字を苦手とする子供も多いため、その授業の導入や、「筆や墨の感覚にに慣れる」という目的としては最適な学習。

授業の進め方

  1. 一文字の漢字(イメージしやすいもの)をたくさんあげる。(形容詞、自然などは書きやすい。)
  2. 「上手に書く」のではなく、字を見て、どんなものかイメージがつくように書くことの念押しをする。
  3. 実際に書き、子供達の作品を紹介しつつ、色んな字に挑戦する。
  4. 絵にならないように注意する。

メリット

  • 「習字」に対する抵抗感をなくす。
  • 楽しく描きながら、筆を使って字を書くこと、力加減や線の質、かすれ、墨の量など、たくさんの感覚を養う。
【楽しい習字の授業】「大きな雲」を書こう/手本不要!子供の想像力を生かした取り組み!

「ちょこ・ぺた・ぴん」 「筆先は10時の方向」 「半紙を四つ折りにして」 「墨は筆の8割のところまでつけて」 「書いている間は喋らない」 「習字の授業」と言えば、こんな言葉が飛び交っていませんか? 教 ...

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これらのアイデア授業はそれも「視覚的」に楽しめるものをピックアップしました。

こういった「パッとみて楽しめる」教材や資料づくりの時には、僕は「Canva」というデザインツールを利用していました。

本来はデザイナーが使うようなデザイン作成ツールですが、無料でも数万点ものおしゃれな素材が利用できて、教材のクオリティがグッと上がりました。

「つまらない資料」から「パッと見ただけで面白そうに感じる資料」づくりに。ぜひ活用してみてください。

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終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

今回は、国語の授業・隙間時間で使える「アイデア実践事例」を8選まとめました。

どこかで実践してもらえたらありがたいです。

  • この記事を書いた人

Naoto

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